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2連覇なるか!? オーストラリア縦断ソーラーカーレースに参戦する東海大学のマシン『Tokai Challenger』を公開

2011年08月24日 21時00分更新

優勝を狙う東海大学のソーラーカー『Tokai Challenger』
Tokai Challenger

 ダーウィンからアデレードまで、オーストラリア大陸約3000キロを縦断する世界最大のソーラーカーレース『ワールド・ソーラー・チャレンジ』の2011年大会が10月16日から23日まで行なわれる。これに先立ち、8月24日、東海大学の参戦車両『Tokai Challenger』が公開された。東海大学は前回の2009年大会で優勝しており、今年の大会で2連覇を狙っている。

 『ワールド・ソーラー・チャレンジ』は、太陽電池のエネルギーだけで3000キロを走るレース。太陽電池を搭載した車両が、太陽光でバッテリーを充電しながら走行するため、エネルギーの消費と充電のバランスが勝敗を分けるカギとなる。

 『Tokai Challenger』は太陽エネルギーの電力変換効率の高い太陽電池と軽量で大容量なバッテリーを積む、日本の産学が連携した技術力の結晶と言えるマシンだ。

 太陽電池は住宅用にも利用されているパナソニックの『HIT太陽電池』(6平方メートル)を搭載。軽量でフレキシブルなため、マシンのシャシーにもフィットしやすくなっている。また、エネルギー変換効率は世界でもトップレベルの22パーセント、最大1.32kWの出力が可能。太陽エネルギーを蓄積するリチウムイオン電池はノートPCのバッテリーにも利用されているパナソニック『NCR18650A』を450本備え、太陽電池出力の3時間45分ぶんに相当する5kWhのエネルギーを蓄えられる。

 一方、マシンのシャシーはエアバス社などで航空機に使われている東レ製炭素繊維『トレカ』を採用。ボディーの制作はレーシングマシンのシャシーを手がける童夢カーボンマジック社の協力を得ている。これらにより、車体の総重量は2009年のマシンよりも20キロ軽い、140キロとなった。さらに、モーターはミツバ製『ブラシレスDCダイレクトドライブモーター』をはじめとする日本メーカーのパーツを組み合わせることで、バッテリーからモーター回転の変換効率を97パーセントまで引き上げている。

東海大学構内を滑らかにテストラン
Tokai Challenger

 8月19日に秋田県で行なわれたテスト走行では、時速100キロメートルで安定走行することを確認したという。東海大学構内でのテスト走行では、ハイブリッドカー並の加速性能と、ブレの少ない安定した走りを見せた。なお、太陽光だけをエネルギーにした順光速度は90キロメートル、バッテリーも併用すれば、最高時速160キロメートルでの走行も可能だ。

産学連携のスタッフ陣
Tokai Challenger

 『Tokai Challenger』を制作し、レースに出場する『東海大学チャレンジーセンター・ライトパワープロジェクト』のメンバーとサポート企業であるパナソニックの小関氏、東レの河村氏。チームは、監督である東海大学工学部電気電子工学科教授の木村英樹氏を中心に学生18名で構成。ドライバーは、東海大学の卒業生でラリードライバーの篠塚建次郎氏のほか、東海大学の学生2名と卒業生の1名。

 レースは全42チームで争い、日本からはほか、芦屋大学など合計3チームが参加する。太陽電池からシャシーまで最強の布陣で臨む『Tokai Challenger』は、日本の技術力でソーラーカー世界一を再び獲得できるのか? レースの様子はパナソニックのウェブページなどで公開される予定だ。みんなで応援しよう!

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