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360度LEDとARがスゴい! 新世代ライブハウス“ニコファーレ”を見てきた!!

2011年07月13日 15時30分更新

 最新のIT技術をがっつり詰め込んで、とびっきりのライブハウスをつくってみた。18日にオープンする“ニコファーレ”は、まさにその言葉を現実にしたライブハウスだ。

 ニコファーレ。左手がバーカウンター、右手側が入り口。

ニコファーレ

 運営するのは、ニコニコ動画で知られるドワンゴ。名前から連想できるように、'07年1月に閉店した東京・六本木のディスコ“ベルファーレ”跡地を利用している。12日に内覧会が行なわれたので、その魅力を存分にお伝えしていこう!

 360度全面をLEDパネルが取り囲む。ホール面積は199.1平方メートルで、スタンディングでは380名、着席では160名~200名を収容可能。ステージ部分をせり出したり、机やイスを置いて、シアター、セミナー、スタンディングと柔軟に対応できる。

ニコファーレ

360度+上面のLEDパネル!
  まず何といっても注目なのが、LEDだらけということ。ホールでは、前後左右のLEDパネルに加えて、上面にもLEDがあしらわれている。これらを利用して、あらゆるところに映像を映し出すことが可能だ。

 内覧会で説明を担当したドワンゴ取締役、夏野剛氏は「質疑応答で聞かれても、掛かった金額は教えられない」と語る。さらに、「ニコファーレの計画は1年前にはなかった。(ドワンゴの川上量生)会長が無謀な計画をして、最初に聞いたときは、せっかくニコ動が黒字になったのに、と正直イヤだった。でもドワンゴでいちばんお金にうるさい私が、これならいいやと思えるクオリティーに仕上がった」と自信を見せていた。

 その言葉に偽りナシで、実際に体験してみると押し寄せる映像に圧倒されるばかりだ。風景が映し出されると、地下にも関わらず開放感を感じる。内覧会でもプレゼンのスライドやその場で撮った映像、ネットの生中継のコメントなど、さまざまなものを映し出していた。VJや映像表現に関わってる人なら、このディスプレーを見せられて、興味をもたないワケがない!

 全面に桜を映し出したところ。壁の一部ではなく、隅までLEDが敷き詰められているのが迫力の理由。

ニコファーレ
ニコファーレ

 リアルのダンサーと映像を合わせたところ。「どこまでがリアルで、どこまでがバーチャルか、その垣根を低くした」と夏野氏は語る。

ニコファーレ

 さらにダンサーが増殖して、全員で踊りだすといった演出も試みていた。

ニコファーレ
ニコファーレ
ニコファーレ

 アーティストに贈られるお祝い花も、LEDパネルに“デジタル花”として表示される。ただ注文は日比谷花壇に電話やFAXで申し込むというのも、従来のやり方を踏襲していておもしろい。

ニコファーレ

 ニコファーレではデジタル花を推進していくとのこと。会場には最初で最後(!?)の生花のギフトが飾られていた。スタジオジブリの宮崎駿氏、鈴木敏夫プロデューサーの名前がありました。おっと、弊社アスキー・メディアワークス佐藤会長の名前も。

ニコファーレ
ニコファーレ
ニコファーレ

生放送のためにつくられたライブハウス
 ニコ動では、新機能発表とユーザーライブを兼ねた“ニコニコ大会議”というイベントを'08年から展開している。そして'10年には、ニコ動出身の歌い手や演奏者、踊り手が出演するユーザーライブ部分を有料化した。昨年、日本各地と台湾で合計14回実施したところ、リアルのチケットが1万4000枚、ネットのチケットは5万1600万枚売れたとのこと。

 夏野氏は、「リアルのチケットの売り上げが6300万円で、ネットは7300万円。十分収支が合うようになってきている。ネットでのライブにお金を払うというのは世界的に見ても定着していないけど、ニコ動では定着しているといってもいい」と語る。

 そうした背景を受けて、「ネットでの課金に強く自信をもった。ネットにはネットでしかできない演出がある。それを本格的にできるネットライブを主眼に置いたライブハウスをつくろう」という考えが生まれてニコファーレにつながったという。夏野氏は「ライブで楽しんで、ネットでも観てみる。2回楽しむのがいい。ネットでむしろ観たいという人も出てくる」と語っていた。

ニコファーレ

 通常のニコニコ生放送と異なるプレーヤーを用意。有料会員は、最大5アングルの中から好きなものを選んで観ることが可能だ。

ニコファーレ

 ケミカルライトを模した蛍光色の“サイリウムコメント”というのも利用できる。もちろんユーザーのコメントも表示される。夏野氏が「拍手してください」と呼びかけると「8888888」と拍手を意味するコメントが流れていた。

ニコファーレ
ニコファーレ

リアルとCGを合成するAR演出
 AR(拡張現実)を利用した演出もニコファーレならではだろう。リアルタイムで撮影している現実にCGを重ね合わせて、ネット中継や会場のディスプレーに表示できる。

 単にCGを重ねるだけでなく、カメラの撮影方向に合わせて画面内のCGも表示角度が変わる。出演者や舞台装置にマーカーを取り付け、天井に設置したカメラで位置情報を認識するという仕組みだ。夏野氏は「バーチャル技術を使ってネットのライブを演出していく」と、AR演出の自信を見せる。

ニコファーレ

 ステージにドラゴンのCGを合成。後方の映像ブースにいるエンジニアが操作して火を吐かせて、夏野氏と戦うというデモを見せた。

ニコファーレ

 ジャンプ世代ならみんなこっそり練習した“かめはめ波”も再現可能。リアルのステージでは何もないが、ディスプレーやネット上での視聴なら合成されているのがわかる。

ニコファーレ
ニコファーレ
ニコファーレ

 ボーカロイド『Megupoid』のキャラクター“GUMI”も合成したステージに出演。

ニコファーレ

 ステージを抜け出して、壁を駆け回るという演出も見せた。

ニコファーレ
ニコファーレ

 コメントも、会場の空間を飛び交ったり、ぐるぐると回転するという演出が可能。

ニコファーレ
ニコファーレ

東方神起やAKB48など、出演者が豪華!!
 ここまでこだわったハコなら、当然、オープン後のイベントにも力が入るというもの。こけら落としとなる18日の公演では、東方神起とAKB48、ニコ動出身アーティスト約30名が出演する“nicofarre オープニングイベント - THE FIRST NIGHT -”を開催する。

 7月21日には、映画の上映を記念した“『コクリコ坂から』公開記念手嶌葵 360°ライヴ in nicofarre”を実施。音楽だけに限らず、“千原ジュニアの企画ジュニア”や“ニコニコ寄席”といったお笑いイベント、“夏だ夏だ! お盆だ!ニコファーレだ!360°ホラー映画祭り”といった映画イベントも予定している。

 詳細なスケジュールはニコファーレのウェブページでチェックだ!

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