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【Imagine Cup 2011レポート4】ついにラウンド1スタート! 日本チームはかく戦えり

2011年07月10日 21時38分更新

 ニューヨークで開催中のImagine Cup 2011のコンペティションが、現地 7月9日にいよいよスタート。日本チームが参加している “組み込み開発部門”と “ソフトウェアデザイン部門”で世界一になるためには、“ラウンド1”、“ラウンド2”、“ファイナル”と勝ち進む必要がある。その最初の関門となるラウンド1では、組み込み部門の全20チームがプレゼンとデモンストレーションを、ソフトウェアデザイン部門の全67チームがプレゼンを審査員の前で披露した。


和装のSunDonationチーム

ImagineCup2011

↑ 女性は浴衣、男性ははっぴと和装で日本らしさをアピール。

 最初にプレゼンを行なったのは、組み込み部門に参加している“SunDonation”。持ち時間は10分で、審査員からの質疑応答もないためプレゼンのわかりやすさがキーポイントとなる。
 SunDonationのソリューションは、持続的な募金活動を目指すというもの。まずはプレゼンター担当の田中天さん(大阪市立デザイン教育研究所)が、日本の募金活動の現状についてスピーチを行なった。ここで、練習ではほぼ完璧にできていたスピーチだが、やはり緊張のためか、スピーチが止まってしまうシーンも……。しかし、そこはチーム内では想定内のこと。システム内容のプレゼンターを担当している芝原達哉さん(京都大学大学院)がきっちりとフォロー。担当するシステムのプレゼンもスムーズにこなし、持ち時間ピッタリでプレゼンを終えることができた。


明るくがんばる田中さん

ImagineCup2011

↑詰まるところはあったものの、終始笑顔で明るく元気にプレゼンをすすめられた。


審査員に近づきアピール

ImagineCup2011

↑芝原さんは、審査員に近づき身振り手振りを交えた情熱的なプレゼン。

 プレゼン終了後は場所を展示ブースに移し、実機を交えたデモンストレーションの審査が行なわれた。ここでは、チームリーダーの西脇春名さん(京都大学大学院)がデモンストレーターとなり、審査員達にシステムの使い方を解説。こちらも持ち時間は10分で、大きなトラブルもなく無事にデモンストレーションを終えられた。


実機を使ってデモ

ImagineCup2011

↑西脇さん(右)がメインとなり、SunDonationの使い方を解説。


チームみんなでサポート

ImagineCup2011

↑河村辰也さん(情報セキュリティー大学院大学)は西脇さんの解説に合わせてマシンを審査員に見せるなど、チームワークはバッチリ。

 以上でSunDonationの審査は終了。全体的に大きな失敗はなく、筆者としては「もしかしたら期待できるかも」と思わせるできばえだった。


強力な応援も!!

ImagineCup2011

↑日本マイクロソフトの最高技術責任者である加治佐俊一氏と、あのクラウディアさんも渡米しデモンストレーションを見守っていた。


アメリカチームも同時にデモ

ImagineCup2011

↑日本チームのすぐそばで、ライバルのアメリカチームの審査も行なわれていた。


 話は前後するが、SunDonationのプレゼンとデモンストレーションのあいだに、 ソフトウェアデザイン部門に出場しているMI3のプレゼンテーションも行なわれた。こちらはプレゼンテーションだけの一発勝負。しかも審査員からの質疑応答もあるため、審査員とのコミュニケーションがキーポイントとなる。

MI3もきっちりミーティング

ImagineCup2011

↑MI3も本番直前までチーム内でミーティング。しかし、これがあわや大惨事(?)という危機に……。

 余裕をもって、プレゼンテーションを行なう会場のそばに集まっていたMI3。直前まで白熱したミーティングを行なっていたが、ここでひとつトラブルが発生。なんとプレゼンテーション前に行なうレジストレーションを忘れていたのだ(そばにいた日本マイクロソフトのサポート部隊も……)。幸い締め切り寸前でまにあったものの、 危うく戦う前に失格となるところだった。


堂々としたスピーチの田中さん

ImagineCup2011

↑プレゼンテーション担当のひとり田中志樹さん(同志社大学)は、直前のトラブルにも動じず堂々としたプレゼンを披露。


画面を効果的に使ってプレゼン

ImagineCup2011

↑石川勇樹さん(同志社大学大学院)は、ディスプレーを指さしプレゼン。1週間前から比べると格段にうまくなっている。

 MI3のソリューションは、クラウドとモバイル端末を使った遠隔医療問診システム。田中さんと石川さんがプレゼンターを担当し、自分たちのソリューションをアピール。実は一週間前に筆者は彼らのプレゼンテーションを見ているのだが、途中で日本語になってしまったりと、実のところ「大丈夫なのか!?」と心配していた。
 しかし、本番では見違えるほど上達。もちろん日本語でということはまったくなく、最後まで英語でプレゼンテーションを行なうことができた。


デバイスを見せながら解説

ImagineCup2011

↑モバイルデバイスもデモ機を用意して、審査員に見せながらプレゼンをすすめていく。


チームワークもバッチリ

ImagineCup2011

↑プレゼンターとテスライド操作を担当したリーダーの今井祐介さん(左/同志社大学大学院)と今入康友さん(右/同志社大学)のコンビネーションも見事だった。

 スピーチはほぼ完璧ともいえる内容だったが、やはり問題は質疑応答。このために想定質問を100問近く用意し、英語での回答も準備していた。とはいえ、英語でのフリーのコミュニケーションというのは大きな壁となっており、審査員からの質問に的確に答えられないという場面もあった。
 とはいえ、ここでも沈黙したり日本語が出たりということはなく、英語で回答を行ない無事に審査を終えることができた。


高校生がいちばんのお手柄!

ImagineCup2011

↑高校生レポーターとして帯同している金井くんと山根くん。彼らこそ今回、Windows 7 Touch Challenge部門で世界3位となったTeam IUVOの2人だ。金井くんは昨年のソフトウェアデザイン部門日本代表チーム“PAKEN”(筑波大学附属駒場中高等学校)のメンバーでもある。実は本番前のレジスト忘れに気がついたのは彼ら。日本チームの影のMVPだ。


プレゼンの様子を生中継

ImagineCup2011

↑高校生レポーター二人によって、USTREAMで審査の様子を配信していた。

 これで、日本チームのラウンド1での戦いは終了。ラウンド1が行なわれたその日の夜に、オープニングセレモニーが行なわれた会場に出場者が集まり、ラウンド2へ進出できるチームが発表された。


発表前から大盛り上がり

ImagineCup2011

↑とりあえずひと段落ということで気が抜けたのか、400人近い学生たちが発表前からハイテンション。

 ラウンド2に進めるのは、組み込み部門は全20チームのうち15チーム。ソフトウェアデザイン部門は全67チームのうち18チームとなっており、壇上でチーム名と国名が呼ばれたチームがラウンド2進出。
 「JAPAN!」のアナウンスを日本チームのメンバーだけでなく、日本マイクロソフトのサポート部隊、そして筆者たち同行プレスも全員ドキドキする胸の鼓動をおさえながら待っていた。……が、日本チームがアナウンスされることはなく、2チームともラウンド1で敗退という結果に終わってしまった。

 残念ながら日本チームは敗退してしまったが、 次回参加する日本チームが世界一に近づけるよう、引き続きラウンド2、ファイナルに進出するライバルチームを中心に Imagine Cupをレポートしていく予定です!


残念ながら日の丸は壇上に登れず

ImagineCup2011

↑ラウンド2進出が決定した各チームが登壇。ここに広がる日の丸を見たかった!!

●ラウンド2進出国(チーム名)
【組み込み部門】
ブラジル(Embedded Brain)
中国(Harmonicare)
コロンビア(Freakin' Mind)
エジプト(ideas 4 u)
フランス(Give Me 4)
インド(Drushti)
インドネシア(MACARA)
ポーランド(WCY_TEAM)
ルーマニア(Endeavour_Design)
ロシア(Calvus)
シンガポール(Skynet)
スペイン(Argitech)
台湾(NTHUCS)
イギリス(Cycling into trees)
アメリカ(Syntax Errors)

【ソフトウェアデザイン部門】
ブラジル(LevelUP)
チリ(Lifeware S.A.C.)
中国(Care Everyone)
クロアチア(apptenders)
チェコ(Celebrio Software)
フィンランド(Team 25k)
インド(Infiniti)
アイルランド(Team Hermes)
ヨルダンJ(OaSys)
マレーシア(Team Cyber Knightz)
モロッコ(White Light)
ニュージーランド(OneBuzz)
ルーマニア(SIMPLEX)
ロシア(OriTeam)
スロバキア(Zippers)
スロベニア(2ndSight)
ウクライナ(DashPoint)
アメリカ(Team Note-Taker)

●Imagine Cup 2011
http://www.microsoft.com/japan/academic/imaginecup/2011/

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