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E3 Expo 2011

高解像度写真で密着チェックする『PSVita』&対応ゲーム瞬間インプレ

2011年06月14日 19時00分更新

  さまざまななハード/ゲームが発表され、当たり年との評判も高かったE3 2011。中でも今年末の発売が決定した新ハード『PSVita』(読みはピーエス“ビータ”。ビタではありません!)は大注目の一台です。

 とはいえ、実機の高解像度写真はまだまだ少ない。ということで、PSVitaの外観の全貌がわかる高解像度密着写真にて、試用感も含めてレポートしていきましょう。

●良いモノ感満載の新ハード『PSVita』を密着チェック!

PSVita密着写真

  まずは正面から。超高精細なディスプレーはiPhone4より縦が96ドット少ないだけの、960×544ドット有機EL。サイズは5インチ。正直、ゲーム画面を見ていて“ドット”の存在をほとんど感じません。
 ボタン類はPSPとよく似た配置ですが、アナログスティックが左右にあります。上面から見た写真を見るとよくわかりますが、現行PSPよりもグッと上に飛び出た形状です。

 比較用のPSPを携行し忘れたので(無念!)比較はできなかったのですが、十字ボタンなどのサイズが小さくなっている印象。これは同席した編集部の荒井も同じことを言っていました。
 本体サイズは二回りほど大きくなった印象ですが、デザインの妙もあってか違和感は感じません。ボタン配置自体は慣れ親しんだPSP譲りの配置ですしね。ちなみに、アナログスティック脇のスピーカーについては、プレーした限りで指で塞いでしまって音が聞こえない、といったことは(当たり前ですが)ありませんでした。

 

センサー付きの背面
PSVita密着写真
↑センサー部分両サイドの凹んでいる部分を軽く指にかける感じでホールドできる。

  気になる裏面。背面タッチパネル部は、実は○×□△の模様になっています。ちょうど模様の部分を触ると反応するイメージ。上部センターには最大640×480ドットのカメラを搭載。
 スペック表上でも“リチウムイオンバッテリー(本体内蔵)”と書かれていますが、見たところ電池交換できそうな取り外しカバーはないように見えます。

 

ボタンやインターフェース多数の上部
PSVita密着写真
↑2基のカードスロットとボリュームボタンがある。従来よりもアナログスティックの高さがあることもわかる。

  上面のドアップ。メタル調のボディーのベゼル部分の質感の高さがよくわかります。カードスロットは“Vitaカード”スロットと、種類不明の“メモリーカード”スロット。ボリュームは上部右端(写真では左端)に付きます。
 マニアックな指摘をすると、ディスプレー面の反射に注目。まったくと言っていいほど、歪みがありません。この精度は正直凄い。

 

整形精度の高さがわかる下面
PSVita密着写真
↑センサー部分の反射に注目。裏面部分も歪みなし。イヤホン端子は下側に搭載。

  ヘッドホン端子と、おそらくマルチユース端子と思われる端子を搭載。左側のスロットのようなものは確認できませんでした。SIMスロットかもしれません。この角度で見ると、背面タッチパネルの“面出し”の精度も非常に高いことがわかります。

 さて、気になる実機の概観的な印象を。
 まず一日中ゲームをまわしっぱなしのブース展示を触った感触でも、発熱はまず問題なさそうです。CPU、GPUともに4コア搭載という猛烈なスペックながら、手に持つ範囲は問題になる温度にはなっていません(ほかの部分が高温だったという意味じゃなく、熱い部分には気づかなかったという意味です)。これはなかなか優秀。
 もちろん、コアの性能を100%使い切っていないという可能性もありますが、だとしたら、むしろ後ほど説明する試遊ゲームのグラフィックレベル以上の性能があるわけで、いずれにしろ凄い。

 未公表の重量ですが、これはどうもE3時点ではバッテリー容量が決まっていないようで、体感重量を現時点で語るのは、あまり意味はなさそうです。極端な話、バッテリーが入ってなかったとしても不思議はありません。どうせ試遊機はAC電源供給ですからね。

●開発中のPSVita対応ゲームの感想は・・・・・・「!」

  いくつかプレイしたりプレイを見たなかで、特にPSVitaらしさを強く印象づけられたゲームでは、SCEのタイトル『GRAVITY DAZE(仮)』、『アンチャーテッド for PSVita(仮)』、そして、『Little Big Planet』のPSVita版です。

【GRAVITY DAZE(仮)編】

PSVitaゲーム
↑GRAVITY DAZEを象徴する1ショット。重力を自由自在にあやつり、天地を縦横無尽に飛び回るキトゥン。少女の成長物語の側面もあるという本作、この独特の世界観に虜になる人も多そう。
PSVitaゲーム
↑特殊能力「重力チェンジ」を発動したところ。無重力状態になり、キトゥンの体がふわりと浮く。次にボタン操作すると、視線の方向に重力が変化する。
PSVitaゲーム
↑塔の壁面に重力を変化させたところ。壁面を歩くように登っていけます。重力方向が変わるだけで世界の見え方が変わる、なんとも不思議なゲーム体験。
PSVitaゲーム
↑E3でプレイできたゲーム画面は、中世の街のように見えます。ほかのエリアはまた違った世界になっているのでしょうか? 想像はふくらむばかり。
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↑本作を担当する外山圭一郎氏。重力を操る、という操作と演出にずいぶん悩んだのだとか。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

  GRAVITY DAZEは主人公の少女グラビティ・キトゥンとなって、重力を操る特殊能力を使い、重力嵐に襲われた街・ヘキサヴィルで起こるさまざまな事件を解決していく、というものです。

 制作を手がけたのは『SIREN』で知られる外山圭一郎氏。主人公の特殊能力『重力コントロール』は、文字通り重力(落下方向)を自在に操る能力で、これを使うことで、たとえば街の塔のような場所を歩いて登ったり、空を飛ぶ飛行船に“着地”したりといったように、文字通り縦横無尽に飛び回って遊ぶことができます。
 重力コントロールは攻撃にも使用でき、キトゥンを浮き上がらせたあと、敵に向かって重力を発生させる“重力キック”で攻撃するといったように使います。

 プレイしてみると、携帯機とはとても思えない緻密なグラフィックのなかで、“ふわふわ”+“落下”を駆使して横に上にと飛び回る爽快感が素晴らしく、試遊時間の数分間があっという間に過ぎてしまいました。
 さらに外山氏によれば、ヘキサヴィルの街はオープンワールド型のマップになっており、「かなり広大」なエリアをほぼ自由に歩くことができるとのこと。オープンワールド好きのイトーとしては、この点だけでも“買い”ランプが点灯です。この空想世界を歩きまわりたい!

 ちなみに、音楽もなかなか素晴らしかったのですが、音楽のクリエイターについては後日しかるべき時期が来たら明らかになるそうです。

【Little Big Planet】

PlayStation Vita『LittleBigPlanet』プレー動画

機材協力●マウスコンピューター『MDV-ADS7400S-WS

  “ユーザーがゲームをつくりだしていくゲーム”というCGM型ゲームとでも言うべき世界観で度肝を抜いたPS3/PSPの人気作のPSVita版。
 グラフィックの質の高さは前2作で述べたとおりですが、本作で注目したのは操作方法の多彩さ。SCEのタイトルだけに、前面タッチも背面タッチも、アナログスティックもジャイロセンサーもと、さまざまなセンサー/入力系を使って、キャラクターを操作していきます。

 PSVita版というのはこういうことか!と思った出来事が1つありました。それは、前面背面のタッチ操作やキー操作を駆使してキャラクターを動かすために、係員がデモプレイしてくれるのですが、一体どうやって操作しているのかが近くで見ていてもまったくわからない(笑)。
 いかに、PSVitaにたくさんのセンサーがあるのか、そして両手をボタンから外さずに操作できるのか、ということですね。LBP自体、PS3版の初代からゲームの新しい可能性を感じさせてくれた作品でしたが、PSVitaにとっても、同様の驚きを起こしてくれると期待します。

【アンチャーテッド for PSVita(仮)】

アンチャーテッド for PS Vita
アンチャーテッド for PS Vita
アンチャーテッド for PS Vita
アンチャーテッド for PS Vita
アンチャーテッド for PS Vita
アンチャーテッド for PS Vita
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↑アンチャーテッドのクリエイター 安次嶺クリス氏。あの“アンチャ”シリーズがクオリティそのままに携帯機で遊べる時代がくる!

 そして、もう一方のアンチャーテッド。この作品は、時系列としては、1作目のアンチャーテッドより古い時代、主人公ネイサン・ドレイク(ネイト)が20代の若きトレジャーハンターだった頃をベースとする物語です。
 PSVitaならではなのは、画面タッチによる壁上りなどの移動や、ロープにぶら下がった際の重心移動にジャイロセンサーや背面タッチなどを使う点

 ただ、そうした操作部分よりも、見た瞬間に凄みを感じるのは、プレイステーション3と比べても見劣りしないほどのグラフィックの美しさ、これに尽きます。公式PVがないのが残念ですが、このグラフィックが手元で動くなんて・・・・・・と、ちょっと信じられないほど。 

●まとめると・・・・・・「伝わらない!」

  ここで個人的に引っかかった以外の作品も、ずいぶんと期待できそうなものがいくつもあります。たとえば、プレス向けのPSVitaカンファレンスで実動展示された、『みんなのGOLF NEXT(仮)』や、高画質な実機リプレイデモをチラ見せしてくれた、カプコン 小野氏による『ストリートファイター×鉄拳』なども、間違いなく話題になるでしょう。

【ストリートファイター×鉄拳】

ストリートファイター×鉄拳
↑PS3とのクロスプレイ対応を検討しているとのこと。PS3版のユーザーとネット対戦!!なんていう夢のような機能を楽しめるようになる!?
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↑独特のキャラクターで会場を沸かせた小野義徳氏。この日、プレイアブル展示はなかったが、実機上で動くリプレイを持ち込んでデモを披露。確かに、コンソール機同等の表情とグラフィック。

みんなのGOLF NEXT(仮)】

PSVita対応ゲーム
↑この緻密なグラフィック。キャラクターの陰影の自然さを見るだけでも、グラフィックの美しさがわかります。
PSVitaゲーム
↑ピン位置でキャラをタッチ操作でつまんで、一打目のティー位置を左右に移動させることができるようだ。
PSVita対応ゲーム
↑デモでは、フェアウェイ画面では、タッチした場所までの距離を測ることができた。
PSVitaゲーム
↑きわどいショットの敵(?)である池すらもこの美しさ。
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↑『みんなのGOLF NEXT(仮)』を手がける池尻大作氏。PSVitaならではの操作感と、遊び要素をどう盛り込むかのアイデアを色々と考えているのだとか。

(C)Sony Computer Entertainment Inc. 

 ただですね、色々と書いて説明してはみるものの、正直、PSVitaの次世代感はおそらく1割も伝わらないのではないかとも思っています。
 実機を幸運にも触れた取材班からして、“CPU・GPUともにクアッドコアのゲーム機”というスペックを見ただけでは、あのグラフィック体験ができるのだとは想像もできなかったんですから。

 そういう意味でも、やはり実機を見るほかない。となれば国内で見られるのは・・・・・・やはり9月15日〜(一般参加は17〜18日)のTGS2011(東京ゲームショウ)、ここでしょう!
 年末に発売になるわけですから、この時期に国内で見せないわけはない。ということで、PSVitaが欲しまりまくってる皆さん、TGS2011は外せませんよ!!

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