Mobile World Congress 2011の巡業が終了して帰国しました。ヨーロッパには2週間滞在していたのですが、その間のホテル代や食事代は結構費用がかかるものです。でも、意外と安上がりだったのが通信費。ヨーロッパのモバイル環境はここ数年で劇的に進化しており、特にデータ通信の料金は大きく引き下がりました。外国人でも買える現地のプリペイドSIMカードも、データ通信対応のものが一般的になっています。
モデムとSIMカードのパッケージはどこの国でも売っている |
例えば3GのUSBモデムの値段は、どこの国でも格安です。SIMロックをかけた上で、データ通信対応のプリペイドSIMカードをつけた“モデムセット”が、各国で販売されています。しかも、ファーウェイ(Huawei)やZTEのものが大半なので、日本でもUSBモデムを使っている人にとって使い勝手はほぼ同じ。ドライバーのインストーラーや接続アプリが英語メニューであっても、日本のものと見た目はほぼ同じなので、迷うことなく使うことができるでしょう。
モデムのお祭りだー!(うれしくて写真がブレちゃった) |
また、USBモデムは携帯電話のお店だけじゃなく、PC系の店に置いてあることも多いようです。この写真はスペインのバルセロナにある大手PCチェーン店内。USBモデムが山積みされていて価格は29ユーロ(約3400円)、これに1日分の定額データ料金が含まれています。もちろん、残高を追加すれば2日目以降も利用できるのです。
データ通信対応のマイクロSIMもあります |
プリペイドマイクロSIMカードを売っているキャリアもあります。ソフトバンクで売っているiPadは海外ではSIMロックフリーですし、日本通信経由で買ったiPhone4もSIMロックがありません。また、海外のSIMロックフリーのiPhone4やiPadを買った人も、こうやって渡航先でプリペイドのマイクロSIMカードを買えば安価にデータ通信をすることができます。データ通信の料金は、ベルギーのBelgacomでは10ユーロ(約1150円)で500MB/月。一方、ドイツのT-MobileのマイクロSIMカードは1日0.99ユーロ(約115円)で定額。安くてウハウハです!
SIMロックフリーのスマートフォンでも使える |
当然のことですが、普通のプリペイドSIMカードでもデータ定額や料金割安のものも売っており、それらをSIMロックフリーのスマホに入れて使うことだってできるわけですね。最初に紹介したモデムセットに付属のSIMカードも、スマホに入れ換えて使うことも可能です。イギリスではT-Mobileの普通のプリペイドSIMカードを買うと、1日2ポンド(約270円)でデータ定額。さらに、7ポンド/週(約950円)、15ポンド/月(約2000円)のパッケージもあります。契約もせずにプリペイドSIMがこの値段で使えるなんて、かなりお得ではないでしょうか? イー・モバイルのPocket WiFi Sや日本通信のIDEOSを買っておけば、海外に出たときにこんな値段で現地で通信できちゃうわけです。海外に行く予定がある人は、この2機種は要チェックですよ。
BlackBerryもプリペイドがあるぞー |
前々回ロンドンで買った(ロンドンでAndroidを1万円でゲットしちゃった!)ZTEのAndroidスマホのように、プリペイドながらもデータ定額利用できるSIMカードをセットにして売っているキャリアもあります。でも、最近は普通のスマホだけじゃなく、BlackBerryもプリペイドで買える国が増えています。もちろん、買ったBlackberry端末はヨーロッパ版なので日本語非対応なんて場合もありますが、英語で使う人やあれこれいじってムフフなことをしたい人には、いい買い物かもしれません。というか、BlackBerryを契約しないで使えちゃうなんて、すごく気楽な感じがします。ヨーロッパっていいところだなぁ。
おなじみ、ファーウェイのルーターもプリペイドだ |
日本でも最近は3Gルーターが増えてきていますが、これのプリペイドもイギリスでは売っています。3(スリー)で買ってきたファーウェイのルーターは、71.99ポンド(約9800円)で3ヵ月、3GB利用可能なプリペイドSIMカードがセット。PCからもスマホからも利用できちゃうんだから、イギリスへ行ったらこいつはマスト・バイなアイテムかもしれませんよ。また、3ヵ月もひとりで使い切ることはないでしょうから、買ったあとですぐに友人などが渡航するときには貸してあげるといいでしょう。
SIMカードの買い方は国次第 |
なお、プリペイドSIMカードや、そのほか端末セットやモデムセットなどの買い方ですが、国によっては身分証明書の提示や住所が必要な場合があります。とはいえ、各国間で人の出入りが当たり前なヨーロッパですから、パスポートとホテルの住所があればOK。つまり、SIMカードを買うときはこの2つを必ず持っていたほうがいいということです。せっかく、スマホとSIMカードが激安のセットを発見したのに、パスポートが無くて買えなかった、なんてことのないようにしたいものですね。また、ホテルにチェックインしたらホテルの名刺をもらっておくと便利です。
結局、また格安スマホ買っちゃったり |
キャリアのお店に入ってプリペイドSIMカードだけを買おうと思ったら、スマホやモデムセットが割安なのでついついそっちを買っちゃった、なんてことも。これはオランダのアムステルダムにあるVodafoneショップで、つい買っちゃったVodafone 845のプリペイドSIMカードセット。この845、実はファーウェイのOEMで、Pocket WiFi S/IDEOSよりもうひとつ下のモデル。バッテリーが共用できるのがうれしいです。
ヨーロッパでモバイル三昧しよう! |
このように、プリペイドでもお安いヨーロッパのデータ通信事情。ここまで安いと日本のキャリアの“海外パケット定額1日1480円”が高く感じてしまいます。もちろん、日本で普段使っているスマホをそのまま海外で利用できるメリットはあるので、一概にどっちがいいとは言えない部分もあるでしょう。でも、ドコモユーザーの人なら4月以降はスマホをSIMロック解除してもらうことで、このように現地のプリペイドSIMカードを入れてガンガン使いまくれるわけです。
携帯電話の通信費ってアジア各国が安いのですが、実はこのようにヨーロッパもかなりお安くなってきています。ホテルのネット代が高かったり、1週間などちょっとの長い出張のときなどは、現地SIMやモデムセットを買うとお得ってことを覚えておくといいでしょう。
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