2011年02月11日16時03分

【セパン24時間耐久2011 】車のレースをソーシャルネットワークとUSTREAMで遊んでみる【その1】

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セパン24時間耐久レース

  “K4-GP”と聞いてピンと来た人は、そうとうな車好きかレース好きだろう。K4-GPとは軽自動車のエンジン(一部古い1000cc程度のエンジンも許可されている)を用い、シャシー設計や改造は一切自由で”エコラン”を行うイベントだ。シャシーは自由に改造し、思い思いに作り込める趣味性を出汁ながら、一方で燃費を厳しく規制することで競技性を出しているイベントだ。

 しかも、なんとも偉大なるアマチュアリズムで成立しており、主催のマッドハウスは基本的に代表の杉山哲氏のみ。イベント自体も非営利で、数多くのボランティアが集まって、車好きが思い思いの挑戦をする。いわば、”大人のミニ四駆”的遊びなのである。

 たとえば、K4-GP公式ページのトップにある写真を見れば、多数の車を先導して走るポルシェ917が見えるはずだ。どう見てもル…マンを席巻した、あの917にしか見えないだが、実は40%ダウンスケールのレプリカなのだ。きちんとドアも開閉して運転もできるが、中身は三菱アイをベースにしたオートマチック車だったりする。この車は代表の杉山氏自身が作ったもの。

セパン24時間耐久レース

  ちなみに筆者は『Plus one AOKI Racing』チームでK4-GPを楽しんでいる。我々が作ったのは日産の伝説のレーシングカーR382をモチーフにしたオリジナルだ。中身は東京R&Dというところが販売しているライトウェイトレーシングカーのCadwellだが、一部フレームなどを改造し、もちろんエンジンは660cc(スバル製4気筒のスーパーチャージャー)に載せ替えてある。

 他にもトヨタ7らしき車や、フォードGT40にしては小さな車、あるいは全く見たこともない車(K4-GPには毎年、ムークラフトの由良拓也氏がオリジナルボディとシャシーで参戦してる)も混じっている。もちろん、そんな車なんて売っていないから、みんな自分たちで作るわけだ。
 その一方で普通の軽自動車そのままが走っていたり、昨年夏の大会からはハイブリッド車(プリウスなど)も出場が許されたため、普通サイズの車も混走していたりする。色々な車が混走して何を目指すかというと、耐久レースを制限された燃料で決められた時間内に走りきること。

 詳しい紹介は2年前にマレーシア・セパンサーキットで行われる24時間耐久レースに出た際の他媒体での連載記事を参照して欲しい。

 ●耐久レースカーからUstreamやツイッター配信をできるか?

 このときに考えたのは、とにかくパソコンを使って何かできないか?ということ。サーキット全域で24時間使えるリーズナブルな通信手段もない中で、パソコンで何ができるかもわからないうちに、車載システムを試行錯誤で作っていった。
 

K4 GP Sepang 2009 高画質版

↑2009年のセパン24時間耐久レースの動画。社内に積み込んだガジェット機材の解説や、状況説明をアノテーション機能を使って見せている。

  しかし時代は流れ、今や日欧米はもちろん、アジア諸国でも3Gネットワークが手軽に利用可能になった。また、インターネットサービスを取り巻く環境も変化し、パソコンだけでなくネット対応のデジタルガジェットで遊べるようになってきている。
 ということで昨年の夏に遊んでみたのが、USTREAMでの放送を単体で行える『CEREVO CAM』を用いた車載カメラのUSTREAM放送だった。USTREAMでの放送が滞りなく行えるよう、日本通信が提供する上り回線の品質を保証する特殊な3Gサービス(下りは遅い)を用いて走ったところ、これが驚くほど高画質の放送となって楽しめたのである。

 これには中継をしている本人はもちろん、CEREVO CAMを開発・販売しているCEREVOや通信サービスを提供した日本通信も驚き(そもそも、こんなバカな遊びを誰もやろうとは思わなかったのかもしれない)だったという。
 その後、CEREVOはCEREVO CAMを全日本ラリー選手権に出場する競技車輌に積み込んでUSTREAM放送してみたり、日本通信は上り帯域の品質保証が入った3Gサービスをいくつかの放送局が採用するなど、新しいビジネスに繋がっていたようだ。
 そのときの様子は、別のウェブ媒体のコラム記事として書いたので覚えている方もいるかもしれない。そのときの実際の映像がこちらだ。USTREAMからダウンロードしたものなので、放送された映像そのものである。

K4-GP 2010 R382R Cerevo CAM Live movie

↑配信に使っている回線は、上り速度にしてわずか384kbpsの3Gなのだが、上り帯域保証が付くとこんなにスムーズな動画になる。

  実はGセンサーやスピード、エンジン回転数、ラップタイムなどの情報を収集し、ビデオ映像にオーバーレイする装置もある。こちらがその映像だ。なんだか懐かしのレーザーディスクゲーム(を知っている人は少ないと思うが)を見ているようだが、パソコン無しでもこれだけの映像を小さなボックスで吐き出し、そしてUSTREAMで放送できる時代になってきたのだ。

K4-GP 2010 R382R Video VBOX

↑昨年、富士スピードウェイで開催されたK4-GPのUSTREAM配信をYouTubeに保存したもの。テレメトリ(画面の計器類)が入ると、テレビの中継映像のように見える。

  これら夏のイベントは富士スピードウェイで行われる。ここで高品位な放送が行えることはわかったので、今年の夏には上記のゲームライクな画面をUSTREAM放送する予定。今年はCEREVOから『Live Box』というビデオ入力をUSTREAM放送する装置が発売されているので、きっとまた面白いシカケができると思う。

●今年のセパン耐久レースで試みるシカケ

 さて、そして今年の冬。実はこの原稿は成田からクアラルンプールに行く飛行機の中で書いている。2年に一度、セパンサーキットでの24時間耐久レースの年がやってきたのだ。
 2年前には「次にはきっとPacket One(マレーシアのWiMAX事業者)がWiMAXアンテナを立てていてくれているよね」と話していたのだが、残念ながらいまだにWiMAXは通っていない(サーキット周辺はジャングルの中に町が点在する田舎なので致し方ない)。

 しかしF1サーキットということもあってか、3Gネットワークのカバーエリアではある。日本通信の上り帯域を保証した3Gサービスに及ばないにしても、そこそこは動くんじゃないか?ということで、CEREVO Live Boxを用いたUSTREAM放送を二種類、考えている。

 ひとつはもちろん車載(テレメトリ放送のオーバーレイは今回は入れていない)カメラ、もうひとつはセパンサーキット構内の放送(コース各所のカメラを自動的に切り替えながら放送しているもの)をサイマル放送しようと思っている。ただし、セパンサーキット構内のLAN設備が使えるかどうか、出発前の時点ではよくわからなかったため、どこまでできるかは解らない。

 マレーシアで使う事ができる3Gデータ通信サービスのSIMカードは、購入できるだけ全部を買ってあるので、現地に到着したら速度を計測してみることにしよう。

  と、ここまでであれば前回の富士スピードウェイでのUSTREAM放送とほとんど同じだが、今回はソーシャルネットワークを通じた遊びができないか?ということで、アノドス社の『ANOBAR8』を2台持ち込んでいる。
 この製品、実はまだ発売されておらず、チームのメンバーがモニター募集に申し込んでいたものの見事に外れ!ということで、ダメもとで「売ってないかもしれないけど、買わせてください」とお願いしたところ、売る事はできないけれど貸し出ますよ、ということで使う事が可能になった。

Anobar8

  ANOBAR8はネットの掲示板に投稿されるメッセージやツイッターのタイムラインを抽出し、“アノテーション”を表示する装置。ネットへの接続は無線LAN経由で行うので、今回はUSTREAM放送用とは別に無線3Gルータを用意しておき、ドライバーが読める位置に設置することにした。
 ピットからの指示のほか、USTREAMを見ている観客やピットで見ているチームの他メンバーが応援メッセージを入れたり、あるいは他チームにもツイッター経由でメッセージを送ってもらえれば面白いかも?と思っている。ANOBAR8向けのツイッターハッシュタグは、車載USTREAM放送と同じものにする予定。

  また、ラップタイムは自動計測ソフトをAndroid端末で動かし、ツイッターに自動つぶやきさせるので、そちらも参考にしてほしい。ラップタイムをつぶやくツイッターアカウントは@k4gp205だ。また、@k4gp205に対して何かつぶやくと、レース車輌内とピットにあるANOBAR8に、そのメッセージが表示されるようにする予定(まだ未テストのため、変更の可能性あり。その場合は順次案内します。)
 編集部注:現地からの情報によると、自動つぶやきは行わず、リアルタイムのラップ情報と自社位置情報をAndroidアプリ『Laproid』の機能で提供するとのこと。コチラのサイトで、地図情報を“航空写真”に変更して見てください。
 また、応援メッセージは
#k4gp205のハッシュタグを付けてツイートすることで、ピットと車内のANOBAR8に表示されるようです。

 なお、まとまった情報は引き続き週アスPLUSに投稿していくが、簡単な情報はチームのFacebookで随時アップデートしていく。質問や応援メッセージもディスカッションボードで受け付けているので、是非とも一緒にこの遊びに参加し「いいね!」をクリックてほしい。あなたのFacebookホームに最新情報が随時表示されるようになる。

・Plus one AOKI RacingのK4-GP用Facebookページはこちら
・筆者のFacebookページはこちら

 同じくレースの準備や経過を含め、随時つぶやいていくつもりなので、こちらも「いいね!」してくれると、この記事を書いている筆者はとてもうれしい。

では次回は、車をコンテナから引っ張り出し、様々なシステムを車に組み付けつつ、通信実験を行っている様子を中間報告としていれるつもりなので、週アスPLUSとFacebookページに注目しておいてほしい。
なお、現地でのおおよその予定は以下の通りだ。

2/11(金)昼ごろ クルマを積み込んだコンテナの開墾
2/11(金)夕方まで 車両準備の様子
2/11(金)夜 現地での前夜祭の様子(この頃にまとまったレポートを出します)
2/12(土)朝 現地での早朝ミーティング
2/12(土) 午前9時〜11時 最終プラクティス
2/12 (土)13時〜 24時間耐久レーススタート
2/13 (日)〜13時 ゴール

 

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