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祝☆青森新幹線開業!!

2010年12月08日 00時51分更新

 12月4日、東北新幹線の八戸~新青森駅間(81.8キロ)が開業した。これにより、東北新幹線は'82年に大宮~盛岡駅間が開業してから28年を経て、ようやく全線が開通したことになる。東京~新青森駅間は3時間20分と従来の八戸駅で在来線特急に乗り継ぐルートに比べて36分も短縮された。東京~新青森駅間の運賃は『はやて』の普通車指定席で1万6170円、グリーン席で2万860円となる。
 

12月4日、青森新幹線開業
↑12月4日に開業した新青森駅。東北新幹線と在来線の奥羽本線の接続駅だ。

 今回開業したのは、新青森駅と七戸十和田駅の2駅。新青森駅は、新横浜や新大阪など新幹線の“新シリーズ駅”と同じく、在来線の青森駅とは、ひと駅ぶん離れており、青森市街に向かうには、在来線に乗り換えて奥羽本線で青森駅まで行く必要がある。
 これは他の”新シリーズ駅”と同様に市街地に対する用地買収の難しさと、青森駅が旧青函連絡船の接続駅としてつくられたため海に面しており、北海道新幹線へ接続するためのルートがつくりにくいといった事情があるようだ。
 ちなみに、『北海道新幹線』は、2015年に新青森~新函館駅間の開業が予定されており、東北新幹線は全線開業したことになるが、線路自体はさらに北へ向けて伸ばす工事が進んでいる。
 

 また、この開業に伴い、在来線の東北本線 八戸~青森間はJRから経営が分離され第三セクターの『青い森鉄道』の路線となった。八戸~函館駅間を運行していた『スーパー白鳥』や『白鳥』などの列車も運転区間が新青森駅発に変更されている。

 このため、函館、札幌まで昼間の特急で最速ルート行く場合には、新青森まで新幹線で行き、そこからスーパー白鳥や白鳥に乗り換える必要がある。新幹線とスーパー白鳥や白鳥は、従来の八戸駅と同様にダイヤが接続しており、乗り換え時間は10分~30分ほどで北海道に向かうことができる。ちなみに、はやてとスーパー白鳥や白鳥は接続列車の番号が共通化されており、例えば東京から『はやて 15号』に乗った場合には、同じ番号の『スーパー白鳥 15号』に乗れば函館まで最速で到着することができる。
 八戸~秋田駅間を結んでいた特急『つがる』も青森~秋田駅間に区間が変更されている。今まで青森~秋田駅間を設定されていた『かもしか』、『いなほ』は列車名を『つがる』に統一するために廃止となった。なお、同区間を運行している夜間の寝台特急『カシオペア』や『北斗星』は従来通りのルートで運行されるが、特急料金を含めたトータルの運賃は1900円の値上がりとなる。

 また従来では通過していた、奥羽本線経由の寝台特急『あけぼの』や『日本海』、リゾートトレインの『リゾートしらかみ』や『リゾートあすなろ』なども停車するようになった。

 開業日に新青森駅を取材してきたのでレポートしてみたいと思う。
新青森駅から最初に東京へ向かった列車は『はやて 12号』。関係者のあいさつのあと、津軽三味線とホームから溢れるばかりの報道陣に見送られて、6時31分に無事に出発。しかし、当日の悪天候と強風により、東京着は15分遅れとなってしまったようだ。

12月4日、青森新幹線開業
↑ホームから溢れんばかりの報道陣に見送られて出発する一番列車『はやて 12号』。

 盛岡方面から新青森に一番に到着したのは、盛岡発の『はやて 93号』だ。こちらは無事に定時に到着。こちらもホームでは歓迎式典が行なわれた。

12月4日、青森新幹線開業
↑盛岡方面から新青森に一番に到着した盛岡発の『はやて 93号』。

 新青森駅は在来線のホームが地上に、新幹線のホームがその上にある3階立て構造となっており、新幹線から在来線の乗り換えは専用通路1本で改札を出ずに行なえる。実際に歩いてみたが、筆者の足で新幹線ホームから在来線ホームまでは5分ほどだった。構内の構造は単純で分かりやすいため、迷うことはないだろう。

12月4日、青森新幹線開業
↑新青森駅の案内図。3階構造となっており、新幹線から在来線への乗り換えは迷わずできる。

 在来線から新幹線へ乗り換え時間は10分から30分。この間に駅弁を買ったり、おみやげを買いたいというケースもあるだろう。もちろん、普通の新幹線の駅と同様に構内にキオスクのほかに、駅弁屋やお土産物屋がある。駅内の施設を紹介する。

12月4日、青森新幹線開業
↑新幹線のホーム下にあるお土産物屋。青森の特産品や地酒などを扱っており、お土産を買い忘れても、ここに寄れば困ることはない。
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
↑立ち食いそば屋と駅弁屋。駅弁屋はホームのキオスクに比べて種類が豊富。『青森回線ちらし寿司』や『津軽幕の内弁当』など青森ならではのご当地駅弁が並ぶ。このほかにホーム下にはJR東日本のキオスク『NEW DAYS』や冷暖房が効く密閉式の待合室などもある。
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
↑ホーム上のキオスク。飲み物や雑誌など種類は少ないが、ひと通りのものがそろっている。列車まで時間がないときには、便利な存在だ。『週刊アスキー』も売っていた。
12月4日、青森新幹線開業
↑本格的に青森の味覚を味わいたいなら、改札の外にはなるが、地上階に『あおもり旬味館』というフードコートと土産物のコーナーがある。ここでは海鮮モノやラーメン、和菓子・洋菓子などが楽しめる。また、クロネコヤマトの集荷施設や銀行のATMもあるのが便利だ。
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
↑同じく改札の外にある観光案内所『あおもり観光情報センター』。青森県の観光案内はもちろんのこと、10分100円でインターネットを使うこともできる。
12月4日、青森新幹線開業
12月4日、青森新幹線開業
↑駅の西口にはトヨタレンタカーの支店もあり、新幹線で来てレンタカーで青森を回るといったこともできる。また、駅前からは青森市内行きのバスも発着している。

 筆者は4番列車の8時28分新青森発の『はやて 18号 東京行き』に乗ってみた。前日に八戸経由の在来線特急で青森入りしていたが、在来線の特急では1時間近くかかり、ひと眠りできるぐらいだったのが、新青森~八戸間は20分とあっという間に着いてしまった。在来線のゆっくりとした時間が嘘のようだ。

 なお、今回開業した区間は、八甲田山を直線に近い形で貫くトンネルがつくられているため、6割がトンネル。新青森駅の周辺と七戸十和田駅周辺、八戸駅周辺で景色が開けるが、ほとんどトンネル区間のため、まるで地下鉄に乗っているような感覚だった。東北地方の風光明媚な景色が楽しめないのは残念だが、時間短縮という点でビジネスなどでの利用価値はグンと上がった。来年3月には新型車輌E5系による『はやぶさ』の運行も開始される予定となっており、この列車に設定されるファーストクラス『グランクラス』にはぜひ乗ってみたいものだ。

12月4日、青森新幹線開業
↑来年3月5日より“東京~新青森間”で運用を開始する新幹線『はやぶさ』号の新型車輌『E5系量産先行車』。最高営業速度は320キロメートル。
12月4日、青森新幹線開業
↑グランクラスは、従来のグリーン車よりも上位の格付けとなる客室で、新青森方の先頭車に18席のみの設定。東京~新青森間の料金は2万6360円とグリーン車よりも5000円高い。が一度は乗ってみたい。
12月4日、青森新幹線開業
↑シートピッチは従来のグリーン車よりも14センチ広い130センチ。リクライニングは電動式で45度まで傾けられ、食事とフリードリンクの提供がある。座った感じは、太ももの部分がもち上がるため足が楽チンで快適。

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
http://www.jreast.co.jp/

ダイヤ改正について(PDFファイル)
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100916.pdf

 

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