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ファーウェイ、ZTEだけじゃない! 中華スマホが熱い!

2010年11月17日 12時00分更新

 11月上旬に行なわれたソフトバンクとドコモの冬春モデル発表会では、Android OSを搭載したスマートフォンが両社合わせて10機種も登場。日本もスマートフォンの時代がようやく到来、という状況になっています。さて、これらの新機種の中で“HW”と“Z”、この2つの型番は日本ではモデムなどではおなじみですが、スマートフォンとしてはあまり知られていません。HWはファーウェイ(Huawei)、ZはZTE、どちらも中国のインフラベンダーですね。ですが両社は携帯電話やスマートフォンにも注力しており、当連載の2回目でもファーウェイの『IDEOS』を紹介したところです(ファーウェイのAndroid端末『IDEOS』がすごくイイ!)。

中華スマホが世界へ拡大中!
ファーウェイ、ZTEだけじゃない! 中華スマホが熱い!

 スマートフォンは世界中で需要が高まっていますが、2年前から3Gサービスが始まった中国でも今や一大ブームになりつつあります。「中国の携帯電話なんて、どうせ時代遅れの安物ばかりだろう」と思っちゃいけませんよ。安い製品はそれこそ闇で売られる“山寨機”もたくさんありますが、ハイエンド製品はスマートフォンがじゃんじゃん出てきておりその数は日本を越えちゃっているんです。

こんな中国のスマホメーカーなんて知らない!
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 しかも日本じゃまったく無名なメーカーから、続々とAndroidスマートフォンが出てきているのが、中国の怪しい……いやすごいところ。これらの中華スマートフォンは、現地通信キャリアでも堂々と販売されており、最近アキバでも売られているいわゆる“中華パッド”とは異なり、品質も性能もきちんとした製品なのです。今回はそんな中国でブレイク中の、中華スマートフォンメーカーをいくつか紹介しましょう。

“中華スマホの神”Coolpad
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 Coolpad(中国語:酷派)、このメーカー名を知らない中国のスマホファンはいないくらい。海外で言えばHTCのように、スマートフォンやハイエンドのフィーチャーフォンに特化したメーカーです。CDMA2000に強く、中国国内の同マーケットではハイエンド端末はCoolpadの製品ばかり。中国のビジネスマンたちがスーツのポケットからクールに取り出す、それがCoolpadのスマホだったりするわけです。値段も高いけど見た目も大人向けでカッコイイ製品も多数。

3G対応で日本でも使えちゃう『W711』
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 最新スマートフォンはW-CDMA対応、Android OS 2.1搭載の『W711』。見た目はまあどうしても海外大手メーカーの製品に似てしまいますが、3G対応ですから日本でも利用が可能。将来Coolpadのスマートフォンが日本メーカーから“CP”なんて型番で出てくることもありうる!? 人と違ったAndroid端末を使いたい人にもおすすめかも。

“忘れちゃいけない”Lenovo
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 ThinkPadのPCでおなじみのLenovo。中国国内では携帯電話のシェア上位を常に争っている大手携帯メーカーでもあります。最近の主力製品はスマートフォン。さすが大手だけあって質感も海外メーカーと同等、これなら世界にも売り出せるって思える製品が揃っています。

Lenovoの秘密兵器『LePhone』
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 そのLenovoのイチオシスマートフォンといえば『LePhone』(楽Phone)。有機ELディスプレイを搭載しOSはAndroid、独自UI/ウィジェットで使いやすさも追求しています。W-CDMAモデルもあるため海外展開も期待したいところ。できればThinkPadをイメージした“ThinkPadフォン”なんてのも将来出して欲しいものです。

“中国らしい名前”のPanda
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 いかにも中国っぽいネーミングのPanda(中国語:南京熊猫)。今から10年前はEricssonのOMEもやっており、パンダが笹を食べているロゴマークを付けたマニアックな製品も出していました。今は中国国内の3Gに特化、端末もターゲットを絞ってスマートフォンをいくつか出しています。見た目はやっぱりどっかで見たことあるよーな、ってのは気にしてはだめです(笑)。

“家電と言えばハイアール”Haier
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 中国の白物家電メーカーであるHaier(中国語:海尓)。日本でも低価格な家電を売っていますが、中国では携帯電話メーカーとしても知られています。これまでは家電同様、安めの製品が多かったのですが、やはり3G時代到来に合わせてスマートフォンにも進出。

家電メーカーも気軽にスマホを作っちゃうのが中国
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 Haierのテレビや洗濯機や冷蔵庫は中国の農村に行っても売っているくらいメジャーで、「電気が来ているんだろうかこんな田舎?」と思えるような僻地にも看板を出したお店があるほど。そんなところでもこんなスマートフォンが売られるようになるなんて恐るべし中国。スマートフォンブームは北京や上海といった都市部だけのものじゃなくなりつつあるわけです。

“地名がそのまま”Amoi
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 福建省のアモイに本社があるAmoi(中国語:夏新)は、携帯電話を中心とした大手のITメーカー。最近は海外メーカーや中国の格安端末との競争が激化しており経営状況が悪化していますが、起死回生を狙ってスマートフォンも市場に投入させています。

中国版ワンセグも搭載
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 スマートフォンというと国内の独自技術やサービスには対応しないもの、というイメージがありますが、中国で発売されているスマートフォンはそのあたりはローカライズが最初から考えられています。中国版ワンセグともいえるCMMB放送への対応も、CMMBを提供しているキャリアである中国移動(チャイナ・モバイル)向けのスマートフォンは多くが対応。スマートフォンだからテレビが見られない、そんなことは無いのです。

“もうわかんないよ”Postcom
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 えーと、もうここまで来ると難易度は“最高”レベル。Postcom(中国名:新郵通信)、そんな名前は聞いたことも見たこともないって人ばかりでしょうけど、中国じゃフツーに売られているんだからこの名前は要チェック、がんばってついてきてください。

とにかく中国がスマホ時代なのはわかった気がします
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 Postcomは中国独自開発の3G方式であるTD-SCDMAの関連メーカー。TD-SCDMAの商用化開始とともに端末も出してきました。当初は格安携帯電話ばかりだったのですが、気がつけばスマートフォンも出すほどのメーカーに。名前が知られていないからって怪しい製品ではなく、今ではTD-SCDMAを提供する中国移動のお店でも主力製品のひとつになっています。

お口直しにファーウェイのスマートフォンをどうぞ
ファーウェイ、ZTEだけじゃない! 中華スマホが熱い!

 ここまで紹介してきた中華スマートフォン、いかがでしたか? 日本でもスマートフォンの話題で盛り上がっていますが、中国ではこのように日本じゃ知られていないメーカーのスマートフォンが続々と出てきているのです。しかしこんなメーカーたちの製品を見続けていると、「ファーウェイとZTEってのは日本でも製品を出しているから普通のメーカーなんだな」と思えてしまいませんか? 海外のスマートフォン動向、これからは中国メーカーも要チェックな時代なのです。


山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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