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保護シートを売り続けて11年 ~ミヤビックス水谷社長インタビュー

2010年06月30日 18時37分更新

 これまで300種類以上の保護シートを扱ってきたモバイル通販ショップVis-a-Vis。運営するミヤビックスの社長、水谷成智氏に、保護シートにまつわる深イイ話を語ってもらいました!
※本記事は週刊アスキー増刊『iPadのすべて』およびPDF版に収録した『液晶保護シートでiPadの画面を守れ!』に掲載したインタビューのロングバージョンになります。

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↑iPad版高光沢タイプ。1780円。
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↑iPad版低反射タイプ。1780円。
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↑水谷社長。プライスレス。

──液晶保護シートを取り扱うようになったきっかけは何でしょう?
 元々PDA用のアクセサリーを扱っており、その一商品として『Write Right』という液晶保護シートを輸入販売したのがきっかけです。1999年のことでした。確か『Palm Ⅲ』用だったと思います。糊は残らないものの、一度剥がすと再度貼り付けるのは難しいシートでした。

──自社ブランドで売ることになったきっかけは?
 翌2000年、ノートパソコンの液晶画面に貼るシートを扱っていた業者から売り込みがあったのです。シリコン素材でPDA用液晶保護シートをつくってみてはどうか、と。完成した『OverLay』第一弾は『Palm V』用でした。当時まだ高光沢仕様(現Brilliant)がなかったので、低反射仕様(現Plus)だったのですが、『Write Right』とは比べものにならない透過度に感動しました。硬くて貼りやすいうえ、貼り直せるのが画期的でしたね。

──“Brilliant”と“Plus”の2種類を用意するようになったのは?
 2003年春、同じ業者の方が艶のある素材を持ってまた売り込みに来られました。同素材はカメラの光学レンズなどに用いられる良質なもので透過度はさらに高く、ほとんど何も貼っていないような印象でした。ちょうどノートパソコンのグレア液晶が出回る時期と重なるので、業界的に流行だったのかもしれませんね。ザウルスの『C760』用に初めて高光沢仕様と低反射仕様の2種類を用意し、それぞれ“Brilliant”、“Plus”と名付けました。

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↑かつてのPlus&Bliliantのパッケージ。スマートフォンはまだ日本に存在しなかった。

──どちらを買えばいいのか、わからないという声はありませんか?
 当時、PDAに高光沢仕様のシートというのが一般的ではなく、需要があるかという点、また、単純に在庫が2倍になってしまうという点から、2種取り扱うべきかどうかは非常に悩みました。結果的には、Brilliantを出して以来、ずっとこちらのほうがよく売れているのですけど、Plusを望まれる方も少なからずいるわけで、それぞれの特性を十分説明したうえで両方売っていくことにしました。Plusは脂が拭き取りやすく指の滑りもいいので、静電式タッチ液晶を採用した『iPhone』や『iPad』などにはオススメですよ。ただ、最近の端末は解像度が高く、Plusではモアレが出てしまう傾向にあります。『Xperia』用のPlusは何度も素材を見直しました。また、有機EL液晶との相性が悪く、『Desire』用には結局Brilliantしか出せませんでした。

──Plusは一筋縄にはいかないんですね。OverLayは進化しているのでしょうか?
 改良され、どんどん薄く、透過度も高くなっています。当初約0.2ミリでしたが、現在約0.18ミリです。0.02ミリとはいえ10パーセントですからね。初期のものとはエア抜けが段違いです。糊の材質も改良が進み、貼りやすさや色の再現性は日々向上していますよ。

──保護シートのサイズや形状はどのように決まるのですか?
 端末の(シートを貼る部分の)寸法をノギスや曲線部分を計る専用の工具で割り出し、その値を基に図面を起こして“抜き型”をつくっています。iPhoneのように全体に貼る場合(面一=ツライチと呼ぶ)と、ノートパソコンのように液晶縁の内側に貼る場合とで採寸方法も変わってきます。前者はピッチピチにつくりますが、後者はマージンを取らなくては貼れません。といって、実際の画面表示よりも小さくならないよう、電源を入れて確かめる必要があります。ネットブックなどは液晶枠にコンマ数ミリの個体差があったりするので、それも考慮しなくてはなりません。

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↑専用の工具を用い液晶保護シートを貼るべき部分の寸法をコンマ数ミリの値で割り出す。
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↑「初代PSPは表面の処理がとても綺麗で、ツライチの保護シートを貼れた」のだそう。現在(PSP-2000以降)は液晶面のみ。

──慎重な作業ですね。実機には必ず貼っているのですか?
 実は、初代『W-ZERO3』用の保護シートをサイズ違いでつくってしまった過去があり、以来、必ず実機に貼ってから量産するようになりました。当社はメーカー様にご協力いただかない限り、端末の発売前に保護シートをご提供することはありませんが、品質は保証いたします。『iPhone4』用も他社より遅れましたが、両面仕様の完璧な仕上がりと自負していますので、ぜひお試しいただけましたらと思います。

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保護シートを売り続け11年~ミヤビックス水谷社長インタビュー
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──保護シート1枚にも深いドラマがあるのですね。水谷社長、どうもありがとうございました! ちなみに、サイズ違いで量産してしまった『W-ZERO3』用保護シートは、誤発送を防ぐため&無念を晴らすために、すべて焼却処分されたのだとか……。

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