週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

AKB48選抜総選挙 - 涙なき前田敦子に新時代の覚悟を見た!

2010年06月10日 02時45分更新

 その瞬間、超満員のJCBホールが揺れた! 6月9日に開催された“AKB48 17th シングル 選抜総選挙 母さんに誓って、ガチです”にて、絶対王者の前田敦子が2位に陥落したのだ。代わって王座に就いたのは、前回2位の大島優子だった。

 司会の徳光和夫氏から、2位として「前田敦子」の名前が告げられるやいなや、満場のファンがどよめいた。正確には、徳光氏が「チームA」と口にした瞬間に歓声が沸き起こったのだった(1位になった大島優子はチームK所属)。

選抜総選挙
全21名の選抜メンバーがステージ上に花開いた。

 これまで4年以上にわたり、AKB48の顔として活躍してきた前田敦子が、ついにセンターを外れる。それはまた、大島優子が初のセンターに就くという、アイドル史に刻まれる王座交代の到来でもあった。ステージ中央に一脚だけ用意された、明らかに格の違う豪華な椅子。その玉座は今日、誰あろう大島優子のものとなった。

 2位に選ばれた、いや、1位に選ばれなかった前田敦子は、ステージ上でマイクを前にして、しばし言葉を失っていた。茫然自失なのか、言うべき言葉が見つからなかったのか。

「みなさん、本当にありがとうございます。私は負けず嫌いなので、正直、悔しいです。でも実は、少しだけホッとしている自分がいます。私はやっぱり1位という器ではないと思います。去年1位をいただけた後に、一番にAKBを引っ張っていかないといけない立場だと思ったんですけど、やはり、、、」

「私にはうまくできなかったみたいです。ありがとうございます。去年は、みなさんに期待していただいたようにはお応えできなかったんですけど、今年は私も5年目になるということで、一期生ということで、さらにこれだけのメンバーを引っ張っていかないといけないと思っています」

前田敦子
AKB48人生で初めて、2位の立場で語る前田敦子。トツトツとした語り口には、悔しさと新たな思いがないまぜになっていた。

 ただ、前田敦子が涙を見せたのは、スピーチの前半までだった。途中からふと表情が変わり、しっかりと前を見据え、新たな決意をしたかのように、晴れやかな笑顔で言葉を続けた。

「私は今年は、この順位で頑張っていこうと思います。でもリベンジできるんであれば、やはりもっとたくさんの方に認めていただけるように頑張らないといけないと思うんですけど、ただリベンジがあるなら次は、胸を張って堂々とAKB48のメンバーを引っ張っていけるような存在になれるように頑張りたいと思います。本当にみなさん、ありがとうございました」

前田敦子その2
ステージ上では涙を封印した前田だが、板野と目が合い思わず号泣。互いに強く抱きしめあった。

 そして、1位に輝いた大島優子。そこには1位に選ばれた恍惚ではなく、ただ不安だけが顔をのぞかせていた。AKB48のセンターは、それほどまでに重い立場であることがうかがえる。

「ウソのようです。秋本さんにはいつもお前は期待値が高いから、それ以上のものが生まれてこないといわれてきました。じゃあ、どこを伸ばせば、今年はMVPをとれるのか、ずっと考えてきました」

大島優子@秋本康
1位の大島優子には、秋本康氏からトロフィーが授与された。

「いつも2位の大島優子として立ってきて、もちろん今年もきっと下がるだろうと思っていました。こんな光栄なことはありません。私に票を入れてくださった方、去年は背中を押してくださいました。またいま徳光さんにも背中を押されたんですけど、でも今年は1位という順位をいただいて、背中を押してくださいとは言いません。ついてきてください

大島優子
涙で声を詰まらせる場面もあった大島優子。だが最後はセンターを務める責任感からか、力強い言葉で締めくくった。

「AKB48が日本一のトップのアイドルグループとしてずっと輝いていけるように努めますので、よろしくお願いします。みんながみんな悔しい思いをしていると思うし、もっともっと前に進まないといけないと思いますし、AKB48、SKE48、SDN48全員で、もっともっと前に進んでいきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」
 

大島優子@集合写真
報道陣向けのポーズを取る際、慣れないセンターのためか一人緊張した面持ちの大島優子。

 今回の選抜総選挙は、17枚目のシングル曲を歌うメディア選抜12名と選抜9名、そしてカップリング曲を歌うアンダーガールズ19名の合計40名をファン投票によって選出するもの。

 この40名に選ばれるかどうか、そして上位メンバーにとっては選抜やメディア選抜に入れるかどうかが、芸能人生を左右しかねない大きな分水嶺となる。

 ※プロ野球にたとえると?

・メディア選抜メンバー 12名は、先発メンバー
・その他の選抜メンバー 9名は、一軍の控え選手
・アンダーガールズ 19名は、二軍選手

トップ3
順位に変動あれど、AKB48のトップ3は篠田、大島、前田の3人で変わらず。両端の渡辺と板野を合わせればトップ5だ。

 選挙に波乱はつきものだが、今回も数々の波乱が飛び出した。昨年8月に開催された『言い訳Maybe』選抜メンバーを選ぶ第1回選抜総選挙から、順位を上げたメンバーをまとめてみた。

●ランク外から選抜入り

20位 仲川遥香

仲川遥香
前回のランク外からジャンプアップで選抜入りを果たした仲川遥香。名前が呼ばれたときの声援も大きかった。

●アンダーガールズから選抜入り

13位 高城亜樹 (前回23位・10位up)
19位 指原莉乃 (前回27位・8位up)

高城亜樹
見事選抜メンバー入りを果たした高城亜樹。スピーチの顔も晴れやかだ。
高城亜樹その2
集合写真で笑顔を見せる高城亜樹(右)。実は週アス・アイドル担当のイチオシでもある。次回のメディア選抜入りに期待すべし!
指原莉乃
前回はアンダーガールズだった指原莉乃も今回は選抜入り。木佐アナから名前を読み間違えられたのはむしろ、さらに知名度を上げるべきとの啓示かも。

●アンダーガールズからメディア選抜入り

11位 松井玲奈 (前回29位・18位up)

松井玲奈
アンダーガールズからメディア選抜入りという二階級特進を達成した松井玲奈。SKE48の顔は珠理奈から玲奈に移りつつあるのか。

●選抜からメディア選抜入り

9位 宮澤佐江 (前回14位・5位up)
10位 松井珠理奈 (前回19位・9位up)

宮澤佐江
ついに念願のメディア選抜入りを果たした宮澤佐江。ひと桁順位にジャンプアップしたのは今回、彼女ひとりだけだ。
松井珠理奈
前回まさかの19位から、堂々メディア選抜入りを果たした松井珠理奈。だが松井玲奈にわずか86票まで迫られ、SKE48トップの座が危うくなったのは今後の課題だろう。

 なお今回の選抜総選挙には、昨年の第1回をはるかに上回る報道陣が集まった。「人数は前回の5倍くらいでしょうか。カメラマンだけで100人以上いらっしゃっているはずです。AKB48でこれほどの報道陣を見た記憶はありませんね」(関係者談)

 報道陣には新聞やテレビ、アイドル誌のみならず、一般誌や女性誌までが来場。選抜総選挙はもはや社会現象と化しているようだ。

●AKB48 第2回選抜総選挙 最終結果

 1位 大島優子  3万1448票
 2位 前田敦子  3万851票
 3位 篠田麻里子 2万3139票
 4位 板野友美  2万513票
 5位 渡辺麻友  2万88票
 6位 高橋みなみ 1万7787票
 7位 小嶋陽菜  1万6213票
 8位 柏木由紀  1万5466票
 9位 宮澤佐江  1万2560票
10位 松井珠理奈 1万2168票
11位 松井玲奈  1万2082票
12位 河西智美  1万1080票

※以上、メディア選抜

13位 高城亜樹  1万1062票
14位 峯岸みなみ 9692票
15位 小野恵令奈 9468票
16位 北原里英  8836票
17位 秋元才加  8049票
18位 佐藤亜美菜 6921票
19位 指原莉乃  6704票
20位 仲川遥香  6567票
21位 宮崎美穂  6371票

※以上、選抜

選抜メンバーの笑顔
ダルマを前に晴れやかな表情で手を振る選抜メンバー20名。21時過ぎの撮影だったため、13歳の松井珠理奈のみ不参加となった。
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう