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異次元の読書体験を味わえるiPadアプリに惚れた!

2010年06月11日 12時00分更新

i文庫HD

『i文庫HD』
バージョン:1.03
App Store価格:700円
(バージョンと価格は記事掲載時のものです)

 iPadが電子書籍の未来を変える! って力説されてもイマイチピンと来ないよ。だって、公式電子書籍ストアの“iBook Store”が国内で開店したと言っても、品揃えがまだまだで、日本語の電子書籍なんてほとんどないんだもんね。

 なんて、ふてくされてたら、あきれるくらいすばらしい超絶アプリを発見したぞ! それが『i文庫HD』という電子書籍リーダーだ!

 i文庫HDは、青空文庫の文学作品をはじめとする各種テキストやPDF、ZIPファイル(に入れたテキストやJPEG)が閲覧可能な電子書籍リーダー。と言うと「ふーん」て感じだけど、その閲覧のしやすさときたら、すばらしいを通り越し、そら恐ろしいと表現した方がピッタリなぐらい、完成度の高さがハンパない!

iBooks同様、本が見やすい
表紙買いしたくなるデザインだよね

 見よ! この美しすぎるインターフェースを。約9000冊ある青空文庫の小説の一部に加え、絵本や漫画、PDFなど計230冊がプリインストール済み。起動すればスグに読み始められるぜ!

紙にようにめくれるアニメーションが◎
こういう必要無駄がすばらしいところ

 とりあえず面白そうな本から読んでみよう。まるで文庫本のような落ち着いたトーンが読みやすさと安心感を与えてくれる。

 というか、ページをめくる際の、指先に吸い付くような感覚は、やった人は必ず驚く。未来を予感させる操作性ッス。

 画面のどの部分をなぞるかによって、めくれ方が微妙に異なるのも芸が細かい。あえて大げさに言うなら、このページめくりを体験するだけでも、i文庫HDを買う価値は十分にある!

 今はまだない機能だけど、紙がめくれるときにカサッという効果音が入ってたりすると、さらにリアルになるかもねー。

 細かい部分で個人的にツボだったのが、画面下部の“▲”。今どのあたりを読んでるかがわかるようになっている。出しゃばらないけど、しっかり役目を果たす、こういう機能大好き!

見にくい漢字はピンチインで拡大
藁藁藁藁(・∀・)藁藁藁藁

 難しい漢字もご覧のとおり。ピンチインでなめらかにズームし、納得いくまで確認。ズーム時の反応も超スピーディー。スゴイ!

見開き表示だと文庫本感覚
ページめくりの楽しみが半分になりますけどね

 より本物の本っぽく読みたい場合は、iPadを横向きにしてみよう。見開きになる。フォントの種類やサイズ、ページの色合いは1冊ずつ変更できないけど、縦書きか横書きかは1冊ずつ変更できる。一度読んだ作品も、横書きにしてみると意外と新鮮ッスよ。青空文庫と言えばルビ。もちろんちゃんと表示されますよ。

これが電子書籍のいいところ! ザ・ネット検索
内容が難しくて敬遠していた本でも、まるわかり

 便利なのが、単語の意味をたった2タッチで調べられるところ。単語の付近を長押しすると、手動で範囲選択をすることなく単語が自動認識される。あとは辞書名をタップするだけでいい。

 辞書の種類も豊富。“Wikipedia”や“Yahoo!辞書”などのインターネット辞書から、“EBPocket”や“大辞林”のような辞書アプリまで、さまざまなものを選択できるよ。もちろん辞書アプリは、別途インストールしておく必要があるけどね。

甘藍をWikipediaで検索
甘藍はキャベツの和名です

 特にインターネット辞書はアプリを切り替えずに調べられるので手軽。Wikipediaを選ぶと、意味だけじゃなく、写真まで見られる。紙の本ではできなかった使い方だなー。激便利!

他のアプリと連携できるのも電子書籍のいいところ
アプリはプリセットできますよ

 “アプリケーション連携”という機能を使うと、任意のアプリと連携できる。例えば、印象に残ったフレーズを、愛用のTwitterクライアントからツイートしたい場合などに便利。筆者も愛用しているTwittelatorシリーズの場合は、このように設定。

本の一節をツイートすることもできます
あたかも自分のつぶやきのように!

 その後、画面の単語を長押ししてメニューを表示させ、Twittelatorをタップすると、選択した単語や書籍名、著者名が自動的に挿入された新規ツイートが作成される。楽しい!

久しぶりに読書感想文を書いてみては?
他人の書評をどうこう言えないとわかる瞬間

 ところで著者ってどんな人? この本はいつ書かれたの? といった詳細は、上部の“情報”ボタンで確認可能。ユーザー登録なしで読書感想文を投稿できるのも手軽でいいッス。

本をダウンロードするのも簡単!
タッチ操作が便利すぎる

 もう読みたい本がない! という場合は、下部の“青空文庫”タブからダウンロードしよう。著者別やキーワード検索はもちろん、人気の本も検索できて、アプリに慣れてなくても探しやすいよ。

自分で作ったデータを取り込もう
こいつがもうひとつの醍醐味

 自分の書いた小説なんかも読んでみたい! という場合は、下部の“フォルダ”タブを開いて、パソコンやインターネットからデータを取り込もう。フォルダーやサブフォルダーでの管理も可能。

iTunesから転送
極めて一般的な方法です

 USB経由で取り込む場合は、iTunes→“アプリ”タブ→“ファイル共有”ウインドーにファイルをドラッグ&ドロップ。FTPでの転送やURL指定による直接ダウンロードなども可能ッス。

Dropboxから転送
使うと便利なDropbox
GoodReaderから転送
この連載1回目で紹介しています

 オンラインストレージの“Dropbox”やドキュメントリーダーの“GoodReader”、ファイルが添付されたメールなど、他のアプリからのファイルの取り込みもワンタッチ。便利になった!

挿絵入りの本も!
このデバイスならまた読みたくなる!
マンガも!
このUIならまた読みたくなる!

 もちろん絵本や漫画も読める。しおりや索引も使え、何冊も並行して読んだり、好きなシーンから読み返すことも可能。

 正直、今どき青空文庫って……とナメてたけど、筆者の認識が甘かった。これほど快適なら、旧作だろうが何だろうがもっと読みます、読ませてください! という感じ。アプリがコンテンツを輝やかす好例を見た気がします!


『i文庫HD』
App Store価格:700円
(価格は記事掲載時点のものです)
(c) nagisa
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