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Shure初の民生向けヘッドホンを試す

2009年11月05日 22時10分更新

 ヒビノインターサウンドより11月20日発売予定のShure製ヘッドホン3モデルの中から、ハイエンド機『SRH840』(予想実売価格2万円前後)の使用レポートを、本誌でおもに音楽関連の企画を担当する相川がお届けします!

SRH840
SRH840
SRH840

 Shureといえばインナーイヤホンの高級ブランドというイメージですが、民生向けヘッドホンは初となります。装着してみて最初に感じたのが、耳へのフィット感がすごくいい! 最初少しキツイと感じたのですが、時間が経つにつれフィット感が増していきます。私、ピアスを5つ開けているので、耳たぶを圧迫されると痛くて困るのですが、この製品は耳全体を包むタイプなので問題なしです! この快適な大型イヤーパッドが、バツグンの遮音性で音漏れしないんですよー。リビングにて大音量で聴いていましたが、家族からの苦情はいっさいありませんでした。コードは片出しタイプで取り外しが可能、本体側は差し込んでから90度回転させて固定する“Bayonet Clip”を採用しているので不意に外れる心配もありません。

 職業柄、テープ起こし(録音した取材内容を原稿にする……実際はテープではなくICレコーダーですが)をよくするのですが、試しにこのヘッドホンでやってみました。実際の取材は自分の耳で相手の声を聞いているわけですが、これまで使っていた安いイヤホンだと声に違和感を感じたり、誰の発言か困惑することもしばしば。ところが、このヘッドホンだとまったく同じ声じゃないですかっ! さらに出音が安定しているので内容も聴き取りやすい! さすがに重量390グラムあるので最後のほうは首が痛くなってきちゃいましたが、これは鍛えて乗り切りましょー。

SRH840
↑カールコードは取り外し可能。万一断線しても、コードのみ交換することができます。3メートルで片出しタイプ。
SRH840
↑交換用イヤーパッドが一式付属。心おきなくハードなDJができますね!
SRH840
↑金メッキ処理が施されたプラグアダプター。回しながら装着します。
SRH840
↑専用キャリーポーチが付属。高いヘッドホンは生で持ち歩くのが心配なのでうれしい。
SRH840
↑ヘッドバンドはメッシュ加工されているので、蒸れにくい。

 さてさて、せっかくのスタジオヘッドホンです。ちゃんと音楽も聴いてみますよ! 私の好きなジャンル順に試してみました。

エレクトロニック
全体的に音の鳴り具合がなめらか。耳に振動がくることもなく、低音から高音までバランスよく伝わってきます。クラブミュージックでもバスドラムとかがズンドコしすぎず、耳触りのよい感じ。個人的には低音はもう少し強調されたほうが好みではあります。スネア、鈴などの音がはっきり聴こえ、しかも立体的な印象。シンセの音はきつすぎる印象でした。曲によっては高音が耳障りなことも。とはいえ、いつも使用しているヘッドホンとは音がまったく違うので「あぁ、実はこういう音だったのかー」と気付くことが多くて楽しかったです。

ロック
歌い始めの口を開ける音まで聴こえました。伸びもよく、心地よい感じ。コーラス部分も重厚な感じで耳に入ってくるし、やっぱりバランスいいですね。奥のほ鳴っている音やひずみ、意図的に入れているノイズまで幅広く拾って届けてくれます。

ジャズ
ピアノの音が超クリアーに耳に届きます。生の音がストレートに響く印象。ん~、落ち着きます。

 音楽機材でも試してみました。愛用しているKORGの『ELECTRIBE MX』では、いつも使ってるDJ用ヘッドホンだと(ダンスミュージック用ということもあり)、低音部分が強調されまくります。これが心地よくてお気に入りだったのですが、この製品だと出音が柔らかくなりますね。個人的には、やはりもう少し低音がほしいなーと感じます。しかし、バランスの良さがこの製品の特徴であるわけです。一部の音が強調されると正確なジャッジができなくなるので、製品の使命ゆえの部分なのかもしれませんね。低音が抑えめなわりに、金管楽器系のサウンドが目立つので、クラシック音楽ファンにもいいかもです!

 SRH240も試してみました!

SRH240
SRH240
SRH240

 エントリーモデル『SRH240』(予想実売価格7000円前後)も試してみました。さきほどと同じ素材でテープ起こしをしましたが、やわらかさ、バランスの良さとも及第点。180グラムと軽量なので、首を鍛える自信のない人にいいかも。コードが着脱式でなかったりと、取り回しの良さや細部の質感は上位モデルに譲る感じですが、求めやすい価格帯ですしこちらもオススメです!

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