2009年04月07日12時43分

細田守監督『サマーウォーズ』インタビュー

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『時をかける少女』の細田守監督の最新作『サマーウォーズ』。
製作中の現場におじゃまして、お話をうかがってきました!

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『サマーウォーズ』
今夏、公開の細田監督最新作。
5月1日よりプレイガイドブック付き劇場前売り券が発売。
販売劇場は公式サイトでご確認ください。

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細田守監督
1967年9月19日、富山県生まれ。
1991年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。
2006年に公開された『時をかける少女』はアニメファンのみならず、世界各国で高い評価を受けた。

週アス:『サマーウォーズ』は「日本の田舎の家族がインターネット上の敵と戦う」という話だそうですが、田舎VSネットという対比がすごいですね。

“デジタル”と“親戚”ですからね。この対比はなかなかないと思いますよ。
ふたつに共通しているのは、どちらも実は結構身近で誰もが恩恵を受けているものだってことです。
「私ネットが好きです」って言わない人でも必ず携帯電話もってて、必ずメールもやってる。同時に、家族や親戚がいない人もひとりもいないんです。いなかったらその人生まれないんですから。僕らの日常から忘れがちだったり、特別な分野のようですが、みんな共通して両方をもっている。
身近にいるんだけど忘れがちな価値みたいなものをふたつ対比させて、そのなかでおもしろいアクション映画ができたらなと、それが発想のもとです。

週アス:ネット上の舞台は、仮想都市OZ(オズ)ですが。

“バーチャル”っていうと現実のできそこないみたいなイメージがありますが、実際みんなが求めているネットワークってコミュニケーションですよね。
僕らみたいに映画を作っていても、映画って“受け手”と“送り手”みたいな関係性だけあるかっていうと、本当は作品を通して受け手どうしが「ここってすごいぐっとくるよね」とか「あ、俺はここだな」、「俺も俺も」ってコミュニケーションの道具としての作品ってこともあるわけじゃなですか。
コミュニケーションの仕方が、学校で休み時間に話すか、画像上に文字を書き込むかの違いだけで、やっぱりみんなコミュニケーション好きなんだよね。
現代はいろんな人と話す機会があるぶん、みんなと話したいとか、みんなと何かを共有したいとか、同じ気持ち、同じ感動、同じ怒りを共有したいって気持ちがより強いんじゃないですか。だから(ネットと現実の)カテゴリーっていうか、垣根みたいなものは本当はないはずなのになといつも思いますよ。

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こちらは作画室。『サマーウォーズ』のポスター原画を発見。

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こちらでは背景を制作中。なぜカリメロ?

週アス:今回は『時かけ』よりCGが多くなると聞きましたが、OZを描くのにCGが必要だったのですか?

9年前に『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』っていう映画で一回ネットワークものをやったことあるんです。9年前のインターネットって覚えてます? 当時、2000年問題っていうのがあって、モデムでイチニパッとか言ってて、ISDNすげーって、そんな時代ですよ。
画像ひとつ落とすのにタバコ一本吸うくらいの時間がかかって、従量制だから落とし終わったら即回線切って。その当時、僕、女の人の頭の上の画像をそうとう見てましたね(笑)。
その映画作りが終わって半年ぐらいたってからADSLが出てきていきなり早くなって、いきなり動画が見れるみたいな話になって。今、光でしょ。
もうひとつ大きな変化は使ってる人が違うよね。9年前はパソコンを買うのにもろもろ含めて50万くらいしたから、ネットをやってる人って趣味の人が多かったけど、今は携帯電話でいいんだもんね。たくさんの人が身近に使えるようになったというのがえらい違いで、しかも自分がネットでコミュニケーションとってますっていうのをまったく意識しないでやってる。

今回の『サマーウォーズ』のOZは、全世界の10億人がアカウントをもっているサービスという設定。現実にあるいちばんでかいのはマイスペースで1億5000万人だそうです(※編集部注:ユニークユーザー数。登録ユーザーでは2億人を超えている)。
10億人が参加している世界ってどういう世界かっていうと、2ちゃんねらーだけでは10億人にならない。女の子や子供が垣根なく参加できるような空間で、ネットワークっていうとサイバーなイメージがあると思うけど、もっとポップでカラフルな世界。
ひとりに1個、自分の分身、アバターをもっているんですが、アバターを10億人ぶん表現するのをですね、手描きでやれというのですか(笑)。ここはCGしかありえないでしょう。
今回の映画では10億体のアバターがぐあーっと登場しますから、CGで表現するところですよね。今まで大群衆が出た映画はあるかもしれないけど、10億人が登場する映画はないだろうと。まあ、実際は3万人ぐらいなんですけど(笑)。

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アニメーターさんの部屋には料理の写真? 宴会シーンの資料だそうです。

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絵コンテや入稿封筒、大量のクリップがきれいに並んだ棚に職人を感じます。

週アス:一方の田舎ですが、これは特定のロケ地があるのですか?

作品上でもはっきりと出てきますが、長野県の上田市が舞台です。
主人公たちの家は、元戦国武将の400年続く家なんです。戦国武将の真田家のあった場所が長野県上田市で、真田幸村は大阪夏の陣で活躍した人なんですけど、お父さんの真田昌幸は、上田市で徳川軍と戦いを2度もやっている。真田家というのは小さな戦国武将なんですが、その後全国を統一する徳川軍が攻めてきて、2度も勝っているんですよね。
上田市の人は何かそういう大きな相手に屈しない心意気があって、それが今回の主人公たちに通じるものがあるんですね。でかい相手にぜんぜんびびらない。長野県上田市はとってもいいところですよ。

そんな田舎を舞台にデジタル機器がたくさん出てくる。簡単には手が届かない、30億円くらいの、ちょっと高いコンピューターも出てきます。
田舎の元戦国武将の屋敷の座敷にスーパーコンピューターをおいて、戦国武将の末裔たちが戦う。座敷にスーパーコンピューター、これぜひ観ていただきたい。こういうインテリアありでしょみたいな(笑)。
スーパーコンピューター、フル稼働してるんですけど、冷やさなきゃいけないじゃないですか。長野県上田市は涼しいところなので、クーラーがある家が少ない。冷却はどうするのかっていうと、氷で冷やす。座敷、スーパーコンピューター、氷、ここをぜひ見ていただきたい。

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これが噂の氷冷スパコン。なんか霊気ただよってます。

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製作現場に入ったとたん目につく「編集まで残り13日」
完成を楽しみにしています!(担当:平野、鈴木)

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